
沖縄に家族で移住するなら、保育園探しもひと苦労。首都圏と保育園の制度がかなり違うため、保育園選びの前に保育園を探す段階から悩む人も多いのが現実です。沖縄ならではの保育園事情もふまえ、ポイント教えます。
沖縄の保育園事情
沖縄の保育園も、首都圏同様、「認可保育園」と「無認可保育園」があります。
沖縄本島内の認可保育園
認可保育園の対象年齢は、4月1日時点で0~5歳の児童となっています。基本的に、認可保育園のある地域に住んでいることが条件になります。
那覇市の認可保育園
那覇市では、7ヶ所の認可保育園があります。
浦添市の認可保育園
那覇市に隣接する浦添市は、子育て世代に人気のあるエリアです。浦添市では、3ヶ所の認可保育園があります。
宜野湾市の認可保育園
那覇市から通勤圏内の宜野湾市も、子育て世代に人気があります。宜野湾市では2ヶ所のあります。
豊見城市の認可保育園
那覇市に隣接する豊見城市は、住宅にかかる費用が比較的安いことで子育て世代に人気があるエリアです。豊見城市には1ヶ所あります。
西原町の認可保育園
本当南部で最近、住宅開発が進み、若者世帯から人気が集まっている西原町では、1ヶ所の認可保育園があります。
南風原町の認可保育園
那覇市へも通勤圏内で、医療環境が整っている南風原町は、この数年人気が集まっているエリアです。南風原町の認可保育園は1ヵ所あり、定員は60名です。
沖縄市の公立認可保育園
本当中部の中心地である沖縄市では、7ヶ所の公立認可保育園があります。
北谷町の認可保育園
外国人居住者も多い北谷町は、若い世帯から人気のあるエリアです。北谷町の認可保育園は3ヶ所あります。
名護市の認可保育園
本当北部の中心地である名護市は、1ヶ所の認可保育園があります。
本部町の認可保育園
自然豊かでこの数年、移住世帯に人気がある本部町では、1ヶ所の認可保育園があります。
国頭村の認可保育園
自然豊かな国頭村では、2ヶ所の認可保育園があります。
県内の認可保育園の待機児童状況
沖縄本島内の認可保育園は、待機児童ゼロの自治体もあります。(平成28年4月1日時点)
待機児童率ゼロの自治体
- 国頭村
- 大宜味村
- 東村
- 宜野座村
- 伊江村
待機率ワースト1は那覇市ではない
意外かもしれませんが、人口が集中している那覇市の待機児童率6.8%です。この数字は、全体的に見ると比較的低い方です。
これに対し、待機児童問題が深刻なのは、県外移住者に人気の高い恩納村や嘉手納町、北中城村です。
たとえば恩納村の場合、周辺にある沖縄市の待機児童率が9.3%なのに対し、恩納村は13.2%を記録しています。中でも1歳児の待機率は150.0%で、那覇市の8.8%、沖縄市の13.5%をはるかに上回っています。
さらに、全体の待機児童率が最も高いのは、嘉手納町の20.3%です。認可保育園は5ヶ所ありますが、どの年齢のクラスも待機率は高いです。
また、北中城村も、認可保育園は6ヶ所ありますが、待機率は19.7%と高くなっています。
沖縄本島内の私立認可保育園
県内には、市町村から認可を受けた社会福祉法人が運営している、私立の認可保育園があります。私立の認可保育園の場合、延長保育を引き受けている園が大半なので、仕事をしながら子育てをする世帯では、私立の認可保育園を希望する人が集中します。
私立保育園に加盟している保育園
沖縄県には、沖縄県私立保育園連盟に加盟している私立保育園が多数あります。保育園選びの参考にしてみてください。
沖縄県の無認可保育園
認可保育園の場合、入園に関する条件などに、細かな設定があります。また、申し込む場合も、自治体に入園希望申込書を提出し、入園が決定します。ただし、希望者多数の場合は、選考により決定されるため、待機児童になる可能性もあります。
これに対し無認可保育園は、申し込みに関する条件などの設定はありません。基本的に、保育園の定員に空きがあれば入園することができますし、申し込みに関しても、自治体を通さず、直接保育園に申し込みます。
無認可保育園の情報
沖縄県のホームページには、認可外保育施設の個別情報が公開されています。
4月1日から入園させたい時のポイント

気持ちも新たに4月から沖縄で新生活を始めたいというのなら、保育園への入園のタイミングには2つの方法があります。
移住して1年後に入園させる
認可保育園の場合、「認可保育園の区域内に居住していること」「仕事・病気・出産などのために児童を保育するのに支障のある世帯(保育に欠ける)児童」という条件があります。
この「児童を保育するのに支障のある世帯」というのは、「保護者が日中働いている」ということが基本的に重視されます。もっと詳しく説明すると、「保護者が日中働いていて児童を保育できない状況」ということが必要になります。
ですから、保護者のうち、どちらかが日中、自宅で保育ができる環境にあるのならば、認可保育園への入所要件は満たさないと判断される場合があります。
しかも、申し込みの開始は、入園を希望する前年の12月からとなっています。そのため、移住してから1年間は自宅保育にし、翌年の4月入園に向けて準備をすることになります。
親族が同居または近所に住んでいる場合は、優先度は下がる
保護者が日中働いていても、「両親と同居している」「近所に親族が住んでいる」などの場合、日中はこうした親族が保育できると判断されてしまうこともあります。
12月の申し込み前に、窓口に何度も足を運ぶのがポイント
毎年多くの児童が、入園希望を出します。ですから、一人ひとりの世帯の状況を自治体担当者がすべて把握するのは、とても難しいことです。
私の場合は、産休に入ってからすぐに窓口に相談に行きました。産休中は比較的時間もありますから、保育園の情報を詳しくチェックするのに余裕がありますし、入園申し込みの手続き方法なども、ゆっくりと説明を聞くことができます。
さらに、このタイミングで、職場復帰の勤務時間などについても説明していましたから、延長保育ができる私立保育園の紹介をしてもらったり、一時預かり保育の説明もしてもらえました。
いざ出産してからは、面倒でも、できるだけ役所の窓口によって、「保育園に入園できないと困る」ということを何度もアピールしました。そのこともあって、無事に4月1日からの入園が決まり、そのタイミングで職場復帰することができました。
移住を入園希望年の前年12月までに済ませる
認可保育園に入園させたいのであれば、希望する年の前年12月からの入園申し込みに間に合わせなければいけません。ですから、住民票を希望する保育園の区域内に移し、保育所の入所要件を満たす必要があります。
無認可保育園の情報も同時に集める
認可保育園に申し込んだとしても、入所が決定するまでには、「市町村の書面審査」や「家庭状況調査」があり、「入所承諾書」が交付されることで決定します。しかも、この入所承諾書が交付されるのは、市町村にもよりますが、入園希望月の1ヶ月ほど前です。
ですから、認可保育園に申し込みをしながら、同時に入所不承諾書が交付された場合のために、無認可保育園の入園に関する情報も集めておくことが大切です。
保育園が設置されている企業への再就職を検討する
沖縄県内では、従業員の福利厚生を目的に事業所内保育園を設置している企業もあります。このような企業では、子育て世代の雇用に積極的であるため、移住後の就職と子供の保育園問題を、同時に解決することができます。
家族移住で保育園探しをするなら
仕事を探しながら、保育園探しをするのは、家族移住を実現させるためには必要だとはわかっていても、やはり大変なものです。でも、せっかく家族で沖縄での移住を決めるのですから、子どもにとっても安心できる環境を準備してあげたいものです。
沖縄は、今でも「3人きょうだい」が珍しくないほど、子どもが多いところです。
だから、大変なのは、地元出身者も移住者も同じ。同じ悩みを抱えている人も、子どもの数だけありますから、積極的に情報を集めるようにしてみると、いろいろなアドバイスがもらえるはずです。