
沖縄移住を決断した人に「どうして沖縄に来たの?」と尋ねると「沖縄が好きだから!」と返されることがしばしば。でもそのパッションは「沖縄大好き人間」である沖縄県民の前では通用しません。その実態とは?
「沖縄特集」とわかるとつい心が動いてしまう
沖縄大好き県民である沖縄県民は、「沖縄(地元)特集」という言葉にとっても弱いです。とにかくどんなシーンでも「沖縄」という言葉が出て来ると、つい心がそのことに反応してしまい全神経がその真相を探るために無条件で動き出してしまいます。
沖縄出身の友人のそうした行動をこれまで何度となく見てきた私ですが、その理由を友人に尋ねると決まって「うちなんちゅ(沖縄の人)だからさ」と即答。つまりこの行動そのものが沖縄大好き人間である証というわけなのです。
地元が一番!
沖縄県民に対して「あなたが一番好きなのはどこ?」と尋ねるとほぼ100%「沖縄県」と答えます。でも沖縄県民同士で同じ質問をすると、必ず生まれ育った地元の名前が挙がります。何しろ沖縄県民が沖縄大好き人間である原点が「強烈な地元愛」にあるのです。
そもそも沖縄県民は、生まれた島が沖縄だから「沖縄が好き」なのです。もちろんいくら沖縄好きとはいっても、「何一つ不満がない」という意味ではありません。些細な不満や文句はあります。だから時には地元ネタで愚痴をこぼしたり「こんな考えだから沖縄はだめなんだ!」と熱く語ることもあります。ところがこの話題の結末は、必ず「それでも沖縄だからな~」で丸く収まります。
つまり沖縄で生まれた人であれば、いろいろ思う事があったとしても最終的には「沖縄が好き」で落ち着くのです。これぞまさに沖縄大好き県民の証!
でも「沖縄の中でどこが一番好きか?」と聞かれれば、「地元(地名)」と答えます。つまり「地元が一番」なのです。だから沖縄県民同士でお酒を飲むときも、同じ地元出身者の集まりであれば地元ネタだけで夜遅くまで大盛り上がりします。
ところが少しでも地元のことを悪く言われた(大抵は「悪く言われたと思い込んでしまった」が正しいのですが…)時には、場合によってはその場で大ゲンカ!わたしも過去に何度かその現場に立ち会った経験がありますが、そんな時に限って沖縄出身の友人たちは本土出身の私に向かって「お前はどう思う?」ときいてきます。
本土出身の私はどう対処するかって?それはもちろん「トイレ休憩」で逃げる!だってどちらが良いと明確に答えるのも危険ですし、生粋の沖縄大好き県民である友人たちを相手に意見を言ってもさらにヒートアップさせるだけ…。もしもあなたがこういう場面に遭遇したら即・脱出ですよ!
沖縄県民は県産品が大好き
私が移住をしてからしばらくして気が付いたのが、沖縄県民の県産品に対する異常なまでの熱愛ぶりです。同じ内容の商品であれば、無条件で県産品を選び取ってしまうのです。もちろん県産品があまりにも高い場合は論外ですが、さほど値段に違いがない限り基本は県産品。この不思議な行動についても、沖縄県民の友人曰く「うちなんちゅだからさ~」なのだそうです。
でも沖縄に長く住んでいると、なぜか県外出身の私にもいつの間にかその癖が…。なぜでしょう?「沖縄県産品」というわずかな情報だけで心がわしづかみにされてしまうのは…。きっとその答えがわかるとき、私自身に「沖縄大好き人間・初心者」の称号が与えられるのでしょう。
沖縄代表は無条件で応援
沖縄大好き県民のもう一つの特徴は、「沖縄代表」という肩書にとっても弱いということ。一年を通して温暖な沖縄では、怪我をしにくいということもあってスポーツが盛んです。
ただ個人競技のスポーツよりは団体競技の方が人気。始めるきっかけも「友人に誘われて」が多く、スポーツを楽しむだけでなく仲間と過ごす時間を楽しみにしている人の方が多いです。そのせいなのか、一度始めるとその競技にのめり込んでしまう人が多いのも特徴です。
スポーツ人口が多いということは、応援する人の数も多いということ。つまり沖縄県民にとってスポーツは、「競技者」としての楽しみ方だけでなく「応援」という楽しみ方もあるため老若男女スポーツに触れ合う人が多いです。このようにスポーツそのものを娯楽として楽しむ基盤がある沖縄県民ですから、「沖縄代表」という肩書を背負って戦う選手たちに対する応援はひとしおです。
もちろん沖縄代表を勝ち取るまでは、誰が何と言おうと地元出身のチームが一番!これはお決まりです。でもすべての戦いを終え沖縄代表が決まったときには、それまでの声援をすべて沖縄代表選手に向けて送ります。
高校野球シーズンに突入すれば、地方予選の段階から毎日ものすごい声援が飛び交います。甲子園の舞台で試合をする当日には、街中を歩いている人影どころか客待ちをするタクシーの運転手の姿も消えてしまいます。
ちなみに野球だけが沖川県民を熱狂させるわけではありません。沖縄のプロバスケットボールチーム・琉球キングスの試合会場でも、甲子園と同じ光景が見られます。もちろんその理由は「うちなんちゅだから!」。この一言に尽きます。
沖縄大好き県民は今日もどこかで地元を熱く語っている
沖縄大好き県民である限り、どこにいても地元に対する深い愛情を持ち続けます。そこが沖縄であろうがなかろうが、そんなことは関係ありません。他県出身者の私から見ると時々「ちょっとめんどくさいな…」と思うこともありますが、どんな時でもブレずに沖縄愛を貫いている姿を見ていると何となく羨ましい気分にも…。
沖縄に移住してから10年以上たつ私が時々無性に実家が恋しくなることがあるのは、いつでも堂々と地元愛を振りまく沖縄出身の友人たちの姿を見ているからなのかもしれません。
あなたもたまには地元大好き・沖縄県民のように、堂々とあなたの生まれた地元のことを語ってみませんか?そしてたまには田舎に帰ってみませんか?きっとそこには沖縄の人と同じように地元愛にあふれた友人たちがあなたの帰りを待っているはずですよ。