
平和学習に自然体験、国際通りやアメリカンビレッジ等見どころ満載の沖縄は学生の修学旅行先として人気です。では沖縄に住んでいる学生たちは、どんなところに修学旅行へ行くのでしょうか?
小学校の修学旅行は沖縄本島に1泊2日が基本
沖縄県内に住む小学生の修学旅行は、基本的に県内旅行です。小学校がある地域によって修学旅行先が変わるのが特徴で、那覇を含む本島中南部地域の小学生は「北部エリア観光」、名護市などを含む本島北部地域の小学生は「南部エリア観光」になります。
北部エリア観光の場合、やはり外せないのが「海洋博公園」です。他県からやってくる修学旅行生と同じように、「美ら海水族館」見学はメイン観光です。
また美ら海水族館の目の前に見える島・伊江島も沖縄の小学校修学旅行先としては定番です。ここでは伊江島のシンボルでもある標高172mの岩山・タッチュー(城山)」を登り、そのまま下山するというとてもシンプルな登山を経験します。
他にも世界遺産に登録されている今帰仁城跡を見学したあと、今帰仁村内で農業体験や自然体験をするのも定番です。「修学旅行」というイメージよりも「宿泊体験教室」のようなイメージに近いので、子供たちは「見たことのない場所を体験する楽しさ」よりも「クラスメイトと一泊する楽しさ」が目当てで参加しています。
南部エリア観光の場合、参加する子供たちは普段ほとんど出掛けることのない那覇や糸満などの景色を見て回ります。こちらは「田舎の子供たちが都会を体験できる旅行」なので、参加する子供たちのテンションも相当高いです。
旅行に来ていく服選びもかなり気合が入ります。そのため旅行が近くなると、準備のために週末に大型ショッピングセンターまで家族で出かけ、お気に入りの服や靴を選んでいる子供たちの微笑ましい姿を見かけます。また北谷にあるアメリカンビレッジも定番コースになっているので、他県の子供たち同様ショッピングを楽しみながら過ごす様子も見られます。
中学校の修学旅行でようやく沖縄県外へ!
沖縄県内の中学港では、修学旅行の定番は九州です。福岡や長崎旅行は定番ですが、一番テンションが上がるのが「電車に乗るとき」「電車を見る時」です。
沖縄にはモノレールが走っていますが那覇空港を含む一部のエリアしか運行していないので、実際に目にすることが出来るのは那覇市周辺に住む子供たちばかりです。つまりほとんどの沖縄っ子は電車が走るところを見たことがないのです。
電車を見たことがないということは、切符をもって改札口を通過する経験もホームで電車を待つ体験もありません。他県の子供たちから見れば当たり前のことかもしれませんが、沖縄の子供たちにとって「電車に乗る」ということはとてもすごい体験なのです。だからこの時の体験は、帰宅すると必ず家族に報告します。それもとっても自慢げに!
最近の中学校では大阪や京都にも行く!
最近の中学校では、九州ではなく大阪や京都などの関西方面に出かけるケースもあります。もちろん京都の史跡などをめぐって歴史を学ぶこともありますが、関西方面に行く場合はUSJもセットで回るのがここ数年の人気コース!
ただどちらかというとUSJを含む関西エリアコースは私立中学校の修学旅行先となることが多く、県立学校の場合は昔から定番の九州地方がやはり多いようです。
高校の修学旅行は「選択制」

修学旅行の場合、「全員参加が基本」というイメージを持っていませんか?私はそう思っていました。でも沖縄の場合、高校の修学旅行は選択制が基本なのだといいます。
私が沖縄に移住してきたのは大学卒業後でしたので正直なところ高校生の修学旅行事情がよくわからないのですが、どうやら私の友人たちの話を総合的にまとめると「高校の修学旅行は参加しない人の方が多い」らしいのです。
もちろん学校主催の修学旅行は沖縄でもあります。でも様々な事情を抱える家庭が多い沖縄では、修学旅行は「希望者のみ参加」が一般的。つまり「自由参加」ということなのです。もちろん参加しない生徒は、いつも通り学校に登校し授業を受けて帰ります。さらに修学旅行に参加する生徒も、いくつかある旅行先の中から希望するコースを選んで参加するといいます。
ちなみに高校生の修学旅行先の定番は東京を含む関東エリアですが、海外とのつながりも深い沖縄ではオーストラリアやシンガポール・中国などに行くこともあります。もちろん修学旅行先として沖縄に並ぶ人気の北海道もありますし、「スキーだけを体験しに行くための修学旅行」として長野エリアに行くこともあります。
いずれにしてもこうした事情を知らずに沖縄出身の友人に修学旅行の思い出を聞くと、「俺、行ってないよ」という予想外の答えが返ってくることがあるので要注意です。