
両手に隠れるほどの大きさだった子どもも、いつの間にかに独立の時。今回は独り立ちしていく息子・娘に対して、親として伝えておきたい沖縄のことわざを3選紹介します。
どんなに離れていても親は子を想っている
- 【沖縄のことわざ】
- 夜走らす舟や子ぬ方星目当てぃ我ん産ちぇる親や我んどぅ目当てぃ
- 【よみかた】
- ゆるはらすふにやこぬふぁぶしみあてぃわんなちぇるうややわんどぅめあてぃ
言葉の意味
夜に光のない真っ暗な海を舟で航海する時には、光り輝く北極星を目当てに進んで行きます。
北極星を見失えば大海原の中で漂流してしまう危険もありますし、目的地にたどり着かないこともあります。
だから夜の航海では北極星を見失わないように全身全霊で見続けます。
これはあなたを生んでくれた親の視線と全く同じです。どんなに離れた場所にいても親の目は常にあなたに向けられています。
その愛情は無償であり、その視線は慈愛に満ちています。そしてその視線はどんなに離れていても強く感じることが出来るのです。
効果的な使い方
親が子どもに向ける無償の愛を語ることわざでもあるのですが、それと同時に子どもが親の長寿を願う意味も含まれています。
ですから「子どもの結婚」でこの言葉を使うのが、個人的には一番おすすめです。
特に娘を嫁がせる場合は、義理の息子となる相手と2人きりで話をする時にこの言葉を使うと効果大です。
朱に交われば赤くなる
- 【沖縄のことわざ】
- 見馴り聞ち馴りや覚らじに染むん粗相にある人ぬ側に居るな
- 【よみかた】
- みなりちちなりやうびらじにすむんすそにあるひとぅぬそばにうるな
言葉の意味
この沖縄の言葉は「朱に交われば赤くなる」「類は友呼ぶ」と同じ意味があります。
人というのは、周りにいる環境によってどのようにでも変化していくものです。
特に周りの環境に左右されやすい子どもたちにとって親元から離れ一人で暮らしていくということは、リスクも大きいです。
なにしろ一人で暮らす必要があるのですから、いろいろな場面で「自分で判断をする」ということが求められます。
この時に物事を粗末に扱う友人や人に対して心無い態度をとる友人とばかり付き合ってしまうと、いつの間にかに子どもも同じような人間になってしまいます。
だからこそこのことわざは、「物事を粗末に扱う人に近づいてはいけない」という強い戒めの言葉として昔から使われています。
効果的な使い方
進学を機に親元を離れ一人暮らしをすることになった息子・娘に対して使うのが効果的です。
学校では同じ年代の子どもたちと過ごす時間が一日の大半を占めます。もちろんここで出会う友人が一生の友人となることもあります。
ただ「悪い方向に子供の性格が変わってしまった」と感じるのも、進学で一人暮らしをするようになった子どもに多いです。
ですから空港や駅で最後に子どもを見送る時にこの言葉を伝えるのが、最も効果的です。
父親であれば直接言葉にして子どもに伝えるのが一番ですが、母親の場合は手紙で伝えるのもおすすめです。
自分が信じた道をひたすら進め!
- 【沖縄のことわざ】
- 誹らわん構な褒みらわん構な我基も思み詰みり朝ん夕さん
- 【よみかた】
- すしらわんかむなふみらわんかむなわちむうみちみりあさんゆさん
言葉の意味
自分が信じた道を進むために親の元を離れて独立していくのですから、周りに何を言われようと最初に目標にした道を突き進んでいきなさい。
人に誹られたとしても、その話が続くのはせいぜい1か月。そして人に褒められたときも、その話題が続くのはやはり同じ程度しかないのです。
たかがその程度のことなのに、それが気になってしまい本当に自分がやりたいことが出来なくなれば後悔は一生続きます。
だからこそどんなに周りに言われようと、自分の目標を達成することだけに専念することが大事なのです。
効果的な使い方
進学でも就職でも使える言葉ですね。1人暮らしをするとなれば新生活に期待もありますが、それと同じくらい不安もあります。
また「いい子でいたい」と思う気持ちが強い子どもほど、周りからの評価を気にしてしまう傾向があります。
実家で暮らしている時には子どものこうした変化にもすぐに親も気が付けるのですが、実家から離れて一人暮らしをするとなれば日々の子どもの心の変化を知ることも難しいです。
だからこそ「周りの誹謗中傷にあっても気にするな。
そして周りに褒められたからと言って有頂天になるな」と一言釘を刺しておくことは親として大事なことです。
いろいろな場面で使うことが出来る言葉ですが、「一人暮らしをさせてください」と直接子どもの方から話を切り出された時に締めの言葉として使うとかなり効果があります。