
沖縄にはたくさんの離島があります。今日は琉球の歴史の感じられらる「伊是名島」をご紹介しましょう。
伊是名島の基本情報
伊是名(いぜな)島は、沖縄本島の北部にあります。運天港から約1時間で到着する周囲16.7kmの小さな島です。伊是名島の見どころはいろいろありますが、歴史と絶景スポットについてご紹介しましょう。
伊是名島は尚円王の生誕の地
伊是名島は琉球王朝、第二尚氏の始祖、尚円王(しょうえんおう)の生誕の地です。
尚円王は農民の子供として生まれましたが、成人してから首里に渡り、役人の屋敷で奉公することになりました。尚円王は、頭脳明晰で、人格も優れていたため、やがて王朝に仕えるようになりました。出世を重ね、55歳の時に琉球国王に即位しました。
尚円王即位の後、琉球王朝は409年も続きました。徳川幕府よりも長かったとは驚きですね。この長期安定政権のおかげで、独自の琉球文化が育まれたと考えられます。そのため、伊是名島には尚円王ゆかりの歴史遺産がたくさんあります。
みほそ所
みほそとはへその緒のことで、尚円王がここで誕生し、屋敷内の大石の下にみほそが埋められていると言われています。島の聖地になっています。
銘苅家(めかるけ)住宅
銘苅家は尚円王の叔父にあたる家系で、代々、伊是名の総地頭職(現在の村長のようなもの)を勤めた家です。現在では1906年に立て替えられた主屋(母屋)とあさぎ(離れ)があります。沖縄戦の戦火を免れ、国指定の重要指定文化財になっています。
玉御殿(たまうどぅん)
尚円王の子供、尚真王が建てた聖墓です。
毎年4月に行われる「公事清明祭(クージヌシーミー)」は、一般家庭の清明とは全く異なる儀式です。お供えは重箱料理ではなく、豚の頭や丸ごとの鶏、生魚など。料理を盛り付けてある器は尚家に伝わる琉球漆器です。普段は博物館で保存されていますが、清明の時は博物館から出して使用されます。村の儀式ですが、一般の方も見学が可能です。
伊是名の絶景ポイント
美しい海に囲まれた伊是名島なので、たくさんの絶景ポイントがあります。海水浴を楽しむなら、「伊是名ビーチ」です。シャワー、トイレなどの設備が整っています。伊是名島はハブがいないので、キャンプも出来ますよ。
「二見が浦海岸」は「日本の渚100選」に選ばれた美しい海岸です。「海ギタラ」と「陸ギタラ」は対になっているので夫婦のようだとも言われています。ギタラとは切り立つ岩の意味で、自然がつくりだした美しい眺めです。
伊是名城(いぜなぐすく)
伊是名城は10~13世紀ごろ建てられたと考えられていますが、詳しい記録は残っていません。まるでピラミッドのような三角形の山は、今でも城全体が拝所(はいじょ)と呼ばれる神々に祈りを捧げる場所であり、頂上の御嶽(うたき)は祭祀を行う場として、毎年豊年祭が行われています。とても神聖な場所なので、心を落ち着けて伺うようにしましょう。
伊是名尚円王マラソン大会
これらの名所や絶景ポイントを見ながら走ることのできるマラソン大会があります。その名も「伊是名尚円王マラソン大会」です。距離も3kmからハーフまでいろいろありますし、小学生から参加可能です。参加者は景色を眺めたり、写真を撮ったりしながら走ります。島民あげての応援もうれしいですね。毎年2月に開催されていますので、確認してください。
伊是名島へのアクセス
沖縄本島北部の運天港(うんてんこう)からフェリーで1時間程です。一日2便、フェリーが運航しています。運賃は大人片道1,810円、往復3,440円です。
離島を訪れる時のポイントは必要なものは持って行く(バスタオル、日焼け止め、常備薬、生理用品など)とゆうちょ銀行のキャッシュカードを用意することです。また、飲食店が少ないのでお昼ご飯は早めに確保しましょう。
歴史ロマンあふれる伊是名島で絶景を満喫してみませんか。